小さな飲食店が使いやすい補助金である小規模事業者持続化補助金。小規模事業者が販路開拓のために使う費用について、最大50万円までで費用の3分の2を補助してもらえる制度です。飲食店経営では、店舗改装、チラシ配布、インターネット広告、ホームページ作成などに使えるので、小さな飲食店にとって使い勝手の良い補助金です。

このブログでは、平成28年度補正予算の当補助金について、飲食店の採択事例をまとめました。ぜひ今後の補助金申請にお役立てください。

飲食店の小規模事業者持続化補助金　採択事例は？

（１）採択結果

当補助金は、現在追加公募中（５月３１日まで）ですが、一次公募分はすでに採択者が決定しています（３月１７日公表）。採択数概算は以下の通りです。

• 商工会議所管轄：約6,400件
• 商工会管轄：約8,500件

追加公募分では6,000件の採択が見込まれているため、全国で合計2万件以上がトータルで採択される予定です。

また、採択者はホームページ上で公表されています。

商工会議所管轄はこちら。商工会管轄はこちら。

（２）飲食店の採択事例と５つのパターン

飲食店ではどういう事例が採択されているのでしょうか。

当ブログでは、商工会議所管轄の採択者リスト一覧から、飲食店での利用と思われる採択例を約300件ピックアップして、パターン分けをしてみました。

現在追加公募中ですので、申請をお考えの方はぜひこの採択事例を参考にしてみてください。

（２−１）５つのパターン

全国の採択リストから選んだ約300件の採択事例から、大きく５つのパターンに分けてみました。

1. インバウンド対策がしたい！
2. 看板メニューの認知度アップ！
3. 新メニューを開発したい！
4. テイクアウトや宅配に取り組みたい！
5. 新たな顧客層を開拓したい！

以下では、それぞれのパターンごとに採択事例を解説していきます。

（３）パターン①「インバウンド対策がしたい！」

都市部の飲食店では欠かせなくなっている外国人観光客の対策（インバウンド対策）。個人店ではまだまだ手が回っていないお店も多いのではないでしょうか？

メニューや看板の多言語化、海外クレジットカード対応、ホームページ翻訳などなど。これらのインバウンド対策費用をまとめて小規模事業者持続化補助金で申請することが可能です。（補助額最大50万円、補助率2/3以内）

（３−１）対象者

インバウンド対策に真剣に取り組みたい飲食店

（３−２）採択事例

和食から洋食まで。幅広い業種業態で採択されています。

（４）パターン②「看板メニューの認知度アップ！」

オープン後間もないお店や最近新メニューを開発したお店。メニュー自体には自信があるけど、まだまだ周知されていない。こんなお店も多いのではないでしょうか？

看板メニューを周知するための、食べログやぐるなびなどの有料メディアへの掲載、看板メニューを中心にしたメニュー表のデザインや印刷費用、近隣地域へのポスティングなどなど。これらの販促費用をまとめて小規模事業者持続化補助金で申請することが可能です。（補助額最大50万円、補助率2/3以内）

（４－１)対象者

看板メニューに自信があるけど、まだまだ周知できていない飲食店

（４−２）採択事例

お店独自のコンセプト、メニューのコンセプトが明確なお店が採択されています。

（５）パターン③「新メニューを開発したい！」

料理の味には自信があるけど、集客できる看板メニューがない。話題性のある新メニューで新しい顧客を呼び込みたい。こんなお店も多いのではないでしょうか？

新メニューの開発にかかる材料費から、開発したメニューの販促活動費までをまとめて小規模事業者持続化補助金で申請することが可能です。（補助額最大50万円、補助率2/3以内）

（５−１）対象者

話題性があり集客できる看板メニューを開発したい飲食店

（５−２）採択事例

地元食材を活用したメニュー開発の採択事例が目立ちました。

（６）パターン④「テイクアウトや宅配に取り組みたい！」

お店の規模が小さい、席数が少ないのでこれ以上集客できない。今以上に売上を伸ばすために、テイクアウトできるメニューの開発や宅配に取り組みたい。こんなお店も多いのではないでしょうか？

テイクアウトや宅配ができる新メニューの開発にかかる費用から、テイクアウトや宅配の販促活動費用までをまとめて小規模事業者持続化補助金で申請することが可能です。（補助額最大50万円、補助率2/3以内）

（６−１）対象者

店舗規模が小さいため、売上を伸ばすためにテイクアウトや宅配に挑戦したい飲食店

（６−２）採択事例

こちらも様々な業種業態で採択されています。

（７）パターン⑤「新たな顧客層を開拓したい！」

既存の顧客層では売上が頭打ち。何とか新しい客層を開拓して売上アップを狙いたい。こんなお店も多いのではないでしょうか？

新たな顧客層を取り込むための店舗改装費用や、新たな顧客層に向けたメニュー開発費から販促活動費用までをまとめて小規模事業者持続化補助金で申請することが可能です。（補助額最大50万円、補助率2/3以内）

（７−１）対象者

既存顧客層では売上が頭打ちのため新たな顧客層の開拓に挑みたい飲食店

（７−２）採択事例

採択事例の中では、女性客層の開拓とシニア層の開拓事例が目立ちました。この他にはファミリー向けやサラリーマン向けなど。

・女性客層の開拓事例

・シニア層の開拓事例

・その他の開拓事例

（８）採択事例一覧

いかがでしょうか。参考になりましたか？

小さなお店ではなかなか販促費にまとまったお金を使うのは厳しいものです。ぜひこの補助金を利用して、売上アップを目指しましょう！

最後に今回の調査で抽出した飲食店の採択事例約300件を載せています。

あくまで採択者や補助事業の名称で飲食店と判断できるものを抜き出していますので、すべての飲食店の採択事例を抜き出せているわけではありません。また、当事務所の近隣エリアでは商工会議所管轄の飲食店が多いため、商工会議所での採択事例のみを調査の対象としています。これらの点ご了承ください。